TOP >> 2006春季生活闘争速報 第10号 >> 別紙-2 雇用の安定と開発及び促進を実現するための体制構築等に関する協力要請

雇用の安定と開発及び促進を実現するための体制構築等に関する協力要請

2006年4月14日発

2006年4月14日

連合石狩地協 発第31号

札幌地区連合 発第23号

社団法人 全国求人情報協会

理 事 長 村 井 俊 朗    様

連合北海道石狩地域協議会

会 長 山 本 廣 和


連合北海道札幌地区連合会

会 長 山 本 廣 和

雇用の安定と開発及び促進を実現するための体制構築等に関する協力要請

日夜、求人広告に関する事業の安定的かつ公正な活動を通じて、求職者の権利と生活安定の確保に取り組まれ、更には各事業者に対する安定的労働力確保にご尽力されることにつき、心より敬意を表します。また、この度は当組織の急な申出につきご快諾頂き、厚く御礼を申上げます。

さて、当組織は、日本労働組合総連合会(略称「連合」)の地域組織として1991年(連合北海道石狩地域協議会)・1993年(連合北海道札幌地区連合会)に設立され、組合員約12万名を擁する組織であります。私どもは、労働を中心とした福祉型社会の形成を組織設立時からの第一命題としています。その実現のためには、加盟組合員に対する取り組みに拘らず、広く、地域居住者・事業者を対象とした取り組みを進めております。

その一例が自治体に対する政策要求であり、連合北海道札幌地区連合会では毎年度11月には次年度の予算編成に向けた政策要求を提出し、予算成立ギリギリまで議論を重ねております。

近年の政策要求の中で議論が集中するところは、やはり「雇用」に関する内容でありますが、札幌市にあっては、基礎自治体の事務管轄制限いうハードルが存在し、当方と共に隔靴掻痒の思いを感ずる処でありました。掛かる事態を打開し、市民、生活者及び労働者が「雇用」という点については不具合を感じぬ様に生活をするためには、意見提言者が広い範囲、多様な範囲そして大きな塊として存在する事が必要と感じます。

これらの観点から、今般の当地域における雇用状況改善のための協力体制等につき下記の通り取り纏めを致しました。全国に広く会員を有し、国や各自治体の当該機関から全幅の信頼を寄せられる貴団体に対して、大変、厚顔かつ性急な事であり、非礼であることについては、お詫びを申上げますが、当地域の事情にご理解を賜りました上、種々ご賢察を頂き、ご検討を頂けますようお願い申上げます。

1、求職者又は労働者からの苦情又は相談対応について

 求人情報誌、求人事業者及び公的機関を通じて応募をする求職者や、その内容に応じ雇用契約を締結した労働者を対象とした、当該内容に関する苦情又は相談を受け付ける窓口の存在は大変に重要であると考えます。貴団体内にも電話及びメール等による受付体制があり、広く対応されていると拝察致しますが、当節、当地域の雇用情勢を鑑み、次の点について協力体制を構築すべくご検討頂ける様、お願い申上げます。

(1) 相談機関の相互周知

 貴団体及び当組織内に配置する相談機関(以下、「さっぽろ労働相談センター等」という)について相互に広く周知することについて

(2) 情報交換窓口設置

 貴団体及びさっぽろ労働相談センター等の担当者との情報交換に関する窓口を設置し、広く周知した上で、意見交換の場を開設することについて

2、健全な職場形成に向けた取り組みについて

 さっぽろ労働相談センター等には、苛め、セクハラ及び新たに施行された法律についての情報不足等を背景に職場の荒廃が著しく、希望を持って働き始めた労働者が不本意なまま離職したという事例が相談として寄せられています。この様な場合には、精神的に大きな痛手を被り当該労働者の生活が危機に瀕するケースもあります。かかる事態の防止については、関係する多くの団体、機関及び個人の協力と協働が大切と考えますので、次の点について協力体制を構築すべくご検討頂ける様、お願い申上げます。

(1) 事業所、事業主又は事業者団体との情報の交換に関する窓口を設置する事について、貴団体と、さっぽろ労働相談センター等が推進的体制を構築し取り組むことについて

(2) 国が、雇用関連の法律及び新たな制度を制定するにあたり、地域事情を盛り込み事業者、事業主又は事業者団体、そして貴団体と労働者等に不利益が被らない内容とすべく意見提案する機構を設置することについて

3、求人情報の質的安定と労働者保護について

 当地域における雇用情勢は有効求人倍率については、未だに少数点数値であり新規学卒者の内定率については他地域を大きく下回る状況にあります。この様な状況にあっては、各種団体、個人が、ある種私利と私欲を投げ打つという気概をもち、日々の活動に従事すべきと考えます。

 しかしながら、この様な状況を逆手にとり、人手を集めて別途募集内容とは異なる契約を応募する求職者に科し、大きな事件や事故にいたったという相談がここ数年多発しております。

 かかる事態の防止については、関係する多くの団体、機関及び個人の協力と協働が大切と考えますので、次の点について協力体制を構築すべくご検討頂ける様、お願い申上げます。

(1) 貴団体及びさっぽろ労働相談センター等で取り扱う事件及び事故に関して、情報として蓄積するシステムの構築について

(2) 同システムの周知を図り、広く情報が開示でき当該情報を入手するネットワークを構築することについて

4、当地域特有の課題に対する協力要請について

 札幌市を中心とする当石狩支庁は典型的な支店経済地域であり、更には道都地域であることから本州大手企業の支社・支店の殆どが配置されています。

 従って、景気や世情流行に先んじて、経済活動の先端的動向が流入するケースもあり雇用の場に於いては顕著であります。以下に挙げる事例は、当地域特有というだけではなく、「被害」という観点から検証すると他地域に比して「酷」であると考えます。よって、速やかに、是正などについて取り組むべきと考えますが、そのためには関係する多くの団体、機関及び個人の協力と協働が大切とも考えますので、次の点について協力体制を構築すべくご検討頂ける様、お願い申上げます。

(1)派遣業について

 「請負」との区別について、求人受付時から明示し、情報誌内の記事として常時の掲載を推奨することについて

(2)個人事業主契約の募集について

 フランチャイズ又は自宅軽作業としての個人事業主に関する契約者募集しながらも、実態はノルマ制の雇用契約である場合、求人受付時から「雇用契約」であることを明示することを推奨することについて

(3)社会的引きこもり者に対する認識の形成について

 新規学卒者に限らず若年・中高年の離職者も含め、職場への不参加を原因とした所謂「社会的引きこもり者」が急増しています。この現象の放置は地域社会の崩壊に繋がるものであり、しいては国内治安問題へも発展する危険性もあると考えます。

 当組織では、昨年、NPO法人「札幌スローワーク」を設立し、かかる社会的引きこもり者との交流や仕事・作業を通じての地域における共通認識形成に取り組んでおります。

 是非、貴団体におかれましても、広い活動領域と活発な経済活動の見地からかかる課題について、地域内の共通認識の形成に向けご尽力される様、お願い致します。


以 上