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2006年 年間労働相談の状況について

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2.労働相談の内容について

(1)相談項目別相談件数について (参照 資料8「2006年相談項目別相談者・相談項目数年次統計」)

1) 相談件数1,722件は全26項目に分布し、相談件数3桁の5項目のうち「就業規則・雇用契約」「経営問題・労務管理」「差別・嫌がらせ・セクハラ」の3項目は平年にくらべて大きく増加しました。 また賃金関係項目で、賃金および残業代の未払いは大きく減少しました。(第7表)

その他、「解雇・雇止め・退職」「労働時間・休憩・休日」を除く各項目は構成比1ポイント未満の変化で概ね平年並みの分布となりました。 なお、最多相談項目である「解雇・雇止め・退職」は、対前年では18件増加し、構成比は0.3ポイント上昇しました。 相談件数の約半数は社員からの相談でした。

(第7表)   【主な相談項目の相談件数・構成比の対平年比較】   (Pはポイントの略)

06年対前年対前年
相談項目相談件数構成比相談件数構成比相談件数構成比
(6)就業規則・雇用契約248件14.4%135件8.8P+113件+5.6P
(22)経営問題・労務管理187件10.9%129件8.4P+58件+2.4P
(21)差別・嫌がらせ・セクハラ116件6.7%76件4.9P+40件+1.8P
(4)賃金未払・遅配89件5.2%133件8.7P-44件-3.5P
(5)残業代未払・問合わせ102件5.9%118件7.7P-16件-1.8P
〔賃金閣保全項目 計〕271件15.7%316件20.7P-45件-4.9P
(11)解雇・雇止め・退職271件15.7%277件18.1P-6件-2.4P

(2)相談項目と雇用形態の連関について

(参照 資料10「2006年1〜12月 労働相談(男女雇用形態別・相談内容別)」)

1) 全相談件数の85%を占める社員、パートタイマー、契約社員の相談は、いずれも「解雇・雇止め・退職」「就業規則・雇用契約」「経営問題・労務管理」の3大相談項目に集中し、 全相談件数の41.0%を占めています。 しかし、最多相談件数は社員は「解雇り狙止め・退職」、パートタイマーと契約社員は「就業規則・雇用契約」であるほか、 4位以下の相談項目の順位も異なっており、それぞれの雇用形態による就業形態や労働条件、労働者管理の違いが反映されています。(第8表)

(第8表)   【主要雇用形態と上位相談項目の連関】

全相談
件数
社   員パートタイマー契約社員
相談
件数
順位相談項目別件数順位相談項目別件数順位相談項目別
構成比構成比構成比
解雇・雇止め・退職271件134149.4%180229.5%228210.3%3
就業規則・雇用契約248件92237.1%181132.7%233113.3%3
経営問題・労務管理187件83344.4%263333.7%11638.6%3
差別・嫌がらせ・セクハラ116件41835.3%246439.7%11048.6%3
賃金未払・遅配89件51657.3%121923.6%2585.6%3
残業代未払・問合わせ102件64462.7%122821.6%2857.8%3

(注)「相談件数」「順位(順)」は雇用形態における相談件数とその順位

  「相談項目別、構成比・順」は相談項目における構成比とその順位

2) 3大相談項目は男女共通の重要相談項目にもなっていますが、その他の項目では男女別に重要度が大きく異なっており、 相談件数の差は(男女別全相談件数差を補正後)、女性は男性に対し「差別・嫌がらせ・セクハラ」で3.0倍(社員では3.6倍)、 「労働保険」「有給休暇」「社会保険」で1.6〜1.9倍であり、男性は女性に対して「労働時間(長時間労働)」で2.2倍、「残業代未払い・問い合わせ」「労災・職業病・安全衛生」で共に2.0倍となっています。

ここでは、女性は職場環境、生活上の権利などの相談が多く、男性は労働時間と賃金、労働安全などの相談が多数であり、 男性の殆どが社員で、女性の大部分がパートタイマーであることから、男女の一般的処遇格差のほか、雇用形態別と同様の就業条件その他の違いが反映されていると考えられます。

(3)相談項目と業種の連関について

(参照 資料11「2006年1〜12月 労働相談(業種別・相談内容別)」)

1) 「分類不能・その他」業種以外で、相談件数が特に多い「卸・小売業、飲食店」「医療福祉・医薬品業」「その他サービス業」でも、 3大相談項目が共通の上位項目であり、相談件数が特に増加した「陸運・倉庫業」および「建設・設計・重機業」の相談項目の順位傾向はやや異なっています。(第9表)

(第9表)   【主要業種の相談項目別相談件数と順位】

建設・
設計・重機業
陸運・
倉庫業
卸・小売業
・飲食店
医療福祉・
医薬品
その他
サービス
全相談
件数
男女別
相談件数順位
件数件数件数件数件数件数
就業規則・雇用契約86152482421361248222
解雇・雇止め・退職231201581372312271111
経営問題・労務管理112114413323213187333
差別・嫌がらせ・セクハラ41021962541451164104
労働時間・休憩・休日6810524411711792759
労働保険(雇用・労災)95581481456990895
賃金未払い・遅配947618713613689977
残業代未払い・問い合わせ771332255131941025410
全相談件数1131223112412071722

(注)相談件数264件の「分類不能・その他」業種を除いている。

  各業種の相談件数順位は表外の相談項目を含めた順位のため、連続しないものがある。

2)個別業種では、女性相談者が圧倒的に多い「医療福祉・医薬品業」の相談件数は1、2位が逆であるほかは女性一般の順位に類似しており、 男性と女性で構成される「卸・小売業、飲食店」「その他サービス業」では、「差別・嫌がらせ・セクハラ」が中位にあるほかは男性一般に近い傾向にあります。

男性が圧倒的に多い「陸運・倉庫業」では男性一般の傾向に類似しており、「建設・設計・重機業」では特異な傾向にあり、経営環境の違いが特徴的に現れています。

(4)相談項目別違法率について

(参照 資料9「2006年 相談項目別違法件数 年次統計」)

1) 相談件数1,722件に対する違法件数は668件で違法率は38.8%となり、平年より4.4ポイント、前年より1.4ポイント低下しました。

主要相談項目の違法率は「賃金関係」で平年より4.7ポイント低下しましたが、賃金未払い・遅配、残業代の未払いは80%台半ばを上回りました。 「労働時間・休憩・休日」も2.9ポイント低下しましたが違法率は70%超の高い水準にあります。 また、最多相談項目の「解雇・雇止め・退職」も約9ポイント低下しましたが、関連する労務管理や「差別・嫌がらせ・セクハラ」はそれぞれ3.5ポイント、1.4ポイント上昇し、 「労働保険」「労災・職業病・安全衛生」でもそれぞれ11.8ポイントと7.6ポイント上昇ました。

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