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2006年 年間労働相談の状況について

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3.雇用情勢について

(1)相談者数と相談内容の変化について

1) 2006年は相談者数、相談件数とも過去最高となり、1人当たり相談(項目)件数も増加しました。 相談者は「社員」、「非社員(パート、契約社員など)」が増加し、「不明その他」が減少しました。

産業の基幹的労働者の働く環境が全般的に悪化し、抱える問題が複雑化する傾向にあります。

「医療福祉・医薬品業」では、都市部の医院やドラッグストアの競争激化、介護保険法と障害者自立支援法の改定施行による福祉施設の経営悪化で労働強化や労働条件の不利益変更が拡大し、 解雇や退職妨害、賃金の遅配、未払いなどが問題となりました。

「陸運・倉庫業」では低価格競争がさらに激化して、過酷な労働強化と残業代不払いの相談が増え、 過労死や交通事故を心配する相談も家族から寄せられました。 また、物流拠点の再編や在庫管理と配送の合理化で、パートタイマーの通勤問題、配転、人員削減の相談が増加しました。

「公務・公共サービス」では、行政改革に伴い行政関連機関での退職強要や苛めが急増しました。

(2)過酷さを増す労働環境と労働者支配の悪化について

1) 減少傾向にあった「解雇・雇止め・退職」の相談が増加に転じ、併せて「就業規則・雇用契約」「経営問題・労務管理」が雇用形態、業種、 男女共通の、また「差別・嫌がらせ・セクハラ」は女性共通の重要相談項目となりました。 解雇などで違法件数が減少した反面、労務管理、苛め、就業規則と雇用契約では増加し、労働者一般に対して、 法定外の過酷な労働や支配管理が行われ、ストレスと精神破壊により解雇や退職に到る状況が拡大したことが窺われます。

2) これらの主たる原因は企業の経営悪化にありますが、そこには景気が浮揚しない道内経済と共に、 規制緩和に伴う市場を無視した過度な事業拡大、電話セールスや訪問販売など営業型事業の進出と整理縮小があり、 また、雇用拡大促進政策による各種補助金を受ける企業が、新規採用で受給を継続するために受給期限を迎える労働者を自主退職に追い込んでいると見られる例が増加しています。

総じて、経営者や管理職に労働法の規制を度外視する風潮が拡大し、監督行政も行き届かない状況があり、 他方、労働者側にも労働生活に関する基礎知識がなく、問題意識の希薄化が拡大しており、経済活動が強権的に進められ、 無責任化しています。このような傾向を社会問題として捉え、学校教育はもとより、社会教育、産業教育、労働組合活動などを通じて体系的に改善策を講じる必要があります。

【添付資料】

資料−1 「2006年1〜12月 月別労働相談処理状況」 【PDF】

資料−2 「06年1〜12月 相談者数(雇用形態・男女別・業種別)、処理内容」 【PDF】

資料−3 「06年1〜12月 相談者数(雇用形態・男女別・業種別)増減」 【PDF】

資料−4 「2006年雇用形態別相談者・相談項目数年次統計」 【PDF】

資料−5 「2006年雇用形態別相談者数月別集計・雇用形態別相談件数 月別集計」 【PDF】

資料−6 「2006年業種加相談者・相談項目数年次統計」 【PDF】

資料−7 「2006年業種別相談者数 月別集計・業種別相談件数 月別集計」 【PDF】

資料−8 「2006年相談稗目別相談者・相談項目数年次統計」 【PDF】

資料−9 「2006年相談項目別違法件数年次統計」 【PDF】

資料−10 「2006年1〜12月 労働相談(男女雇用形態別・相談内容別)」 【PDF】

資料−11 「2006年1〜12月 労働相談(業種別・相談内容別)」 【PDF】

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