2006年6月 労働相談の状況について
「職場のいじめ・嫌がらせに監視の目を!」
1. 労働相談の概況
(1)相談件数について
6月の相談者数は117人で、センター開設以来最多となりました。相談件数は183件、相談者1人あたりの平均相談項目数は1.56件でした。
(2)相談者の男女比率について
相談者の男女比率では、女性63人(53.8%)・男性54人(46.2%)で、06年は、1月を除き女性からの相談が多い状況です。
(3)雇用形態別相談者数について
相談者117人を雇用形態別に見ると、社員が55人、社員以外の期限付き雇用契約者51人、不明その他11人で、 社員と期限付き雇用契約者が拮抗しています。
今月特徴的だったことは、期限付き雇用契約者の中でも「契約社員」からの相談が多かったことで、 「契約社員」である相談者の比率は今年上半期の合計、前年平均を上回りました。 「契約社員」の男女別比率は、男性4人・女性6人となっています。
また、今月は「嘱託」の比率も非常に高くなっています。
社員と同様の労働時間で働きながら、 賃金に大きな格差のある「契約」「嘱託」という雇用形態で働く労働者が増加していることを表わすものと言えるのではないでしょうか。
雇用形態 | 社員 | パート | 契約 | 嘱託 | 派遣 | 臨時 アルバイト |
季節 | 不明他 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
人数 | 55 | 30 | 10 | 4 | 3 | 3 | 1 | 11 | 117 |
構成比6月 | 47.0% | 25.6 | 8.5 | 3.4 | 2.6 | 2.6 | 0.9 | 9.4 | 100 |
構成比1〜6月計 | 43.6 | 29.7 | 8.0 | 1.4 | 3.2 | 3.1 | 0.9 | 10.0 | |
構成比前年平均 | 44.1 | 26.4 | 7.2 | 0.8 | 4.6 | 5.3 | 0.6 | 11.0 |
(4)相談の内容について
相談内容を項目別に見て特徴的なことは、「差別・嫌がらせ・セクハラ」に関する相談が増えていることで、 項目数で20件の相談がありました。今年上半期の合計では46件と、昨年1年間の合計57件に迫る勢いです。
相談センターに寄せられる相談のうち、職場のいじめ・嫌がらせに関する相談は、 主に「差別・嫌がらせ・セクハラ」「経営問題・労務管理」「解雇・雇い止め・退職」の項目に集約されますが、 この3項目を合わせると、6月の相談者数で37.6%、上半期相談者数で35.0%と、 職場のいじめ・嫌がらせが、職場に広くまんえんしている様が想像されます。
他に、上半期の合計を前年と対比した場合に大幅に増加した項目は、「就業規則・雇用契約」で4.5%増となっています。
2. 6月の雇用情勢
職場のいじめ・嫌がらせのまんえんと、それが要因となっての心身の疾患、最悪の結果と言える自殺の問題については、 労働団体をはじめ学者・弁護士などの専門家も指摘し、今ではマスコミに報道されることも珍しくなく、 一般的に論ぜられるようになっています。しかし、その実態は改善される事がないまま、次々と新たな事件を目にし心が痛みます。
厚生労働省は自殺防止対策を打ち出しましたが、根本原因となっている違法な長時間労働の規制や、 適正な人員配置への強制的な指導、セクシュアル・ハラスメントやパワーハラスメントなど職場での人権侵害に対する規制がなされなければ、改善は期待できません。 早急な実効ある対策が求められます。
【 参考添付資料 】
資料−1 2006年6月相談者数(雇用形態・男女別、職業別)、処理内容 【PDF】
資料−2 2006年6月 労働相談(男女雇用形態別・相談内容別) 【PDF】
資料−3 2006年 雇用形態別 相談者数 月別集計 【PDF】
資料−4 2006年 主相談項目別相談件数 月別集計 【PDF】
資料−5 2006年 相談項目別相談者数 月別集計 【PDF】
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