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連合・さっぽろ労働相談センター 札幌圏雇用センサス 第24号

2006年12月3日

2006年11月 労働相談の状況について

「社員は賃金で選別され、パートは選別して苛められる」

1. 労働相談の概況について

(1)相談者数・相談項目数について

参照資料−1「2006年11月 月別労働相談処理状況」

参照資料−2「06年11月 相談者数(雇用形態・男女別、業種別)、処理状況」

1)相談者数101人、相談項目数166件、一人当たり相談項目数1.64件で、相談者は今年4度目の100人台となり、 対前年同月比では+13人、+16件、一人当たり相談項目数−0.06件となりました。 また、対前月では+8人、+14件となり、一人当たり項目数はほぼ横ばいでした。

(表1)【相談者数・相談項目数 一人当たり相談項目数】

項目相談者数相談項目数一人当たり相談項目件数
年・月
2006年11月101人166件1.64件
同 10月93人152件1.63件
前年11月88人150件1.70件

2)相談者の男女構成、雇用形態について(以下、Pはポイント)

相談者101人の男女構成は、女性55人(54.5%)、男性46人(45.5%)で女性が多く、前月とは逆転しました。 1〜11月の累計でも女性が多数(女性52.9%、男性47.1%)を占めています。

雇用形態は社員39人(38.6%)、期限付雇用者(契約、パートタイマー、臨時、季節、派遣)57人(56.4%)、 不明その他5人(5.0%)で、期限付雇用者の約65%はパートタイマーです。 対1〜10月累計構成比では期限付雇用者が+11.4P 、うちパートタイマーは+9.0Pとなり、社員と不明その他が減少しました。 また、男性65.2%は社員が、女性の60.0%はパートタイマーが占めています。

3)業種別相談者について 参考資料−3「2006年業種別相談者数 月別集計」

分類不能・その他を含む20業種のうち17業種から相談が寄せられ、そのうち「分類不能・その他」が20人で最も多く、 次いで「その他サービス業」18人、「卸・小売業・飲食店」14人、「医療福祉・医療品業」10人、その他の業種は5人以下となっています。

前月と比べて業種別相談者数は大きく変化し、「その他サービス業」+10人、「医療福祉・医療品業」+5人、「卸・小売業・飲食店」−6人となりました。 また「陸運・倉庫業」は5人で−8人、「バス・タクシー業」は0人から5人に増加しました。他の業種は+−4人以下となっています。

(2)相談項目分布について

参照資料−4「2006年11月 労働相談(男女雇用形態別・相談内容別)」

参照資料−5「2006年11月 労働相談(業種別・相談内容別)」

相談項目数(166件)では男性(84件)が女性(82件)を上回りました。 このため、一人当たり項目数は、男女平均1.64件に対し、男性1.83件、女性1.49件と隔たっています。

(表2)【主な雇用形態の相談項目数構成率および一人当たり相談項目数】

社 員パートタイマー契 約全雇用形態合計
男性35.5%1.97件3.0%1.25件5.4%2.25件50.6%1.83件
女性6.6%1.22件32.5%1.64件2.4%1.00件49.4%1.49件

雇用形態では社員70件(42.1%)、期限付雇用者90件(54.3%)、不明その他6件(3.6%)で、 一人当たり項目数は男性の契約および社員が2.25件と1.97件で平均を大きく上回りました。

業種別では「その他サービス業」29件、「分離不能・その他」28件、「卸・小売業・飲食店」26件、「医療・福祉・医療品業」16件で2桁の相談が寄せられました。 このうち「卸・小売業・飲食店」の一人当たり相談項目数は1.86件で平均を大きく上回り、 また「IT業」(5人、9件)では少数ながら今年最多の相談数となり、一人当たり相談項目数は1.80件となっています。

(2)相談内容について

参照資料−4、参照資料−5(上記)

参照資料−6「2006年 相談項目別相談件数月別集計」

1)相談内容では「賃金関係」(34件)、「就業規則・雇用形態」「解雇・雇止め・退職」(各22件)が特に多く、 「勤務(労働時間)」「労働保険(雇用・労災)」「差別・嫌がらせ・セクハラ」「経営問題・労務管理」が10〜14件で、合わせて約78%を占めています。

1〜10月の項目別構成率に対する主要項目の増減は「賃金関係」+3.8P、「労働保険(雇用・労災)」+3.1P、「差別・嫌がらせ・セクハラ」+1.7P、 「解雇・雇止め・退職」−1.8P「経営問題・労務管理」−2.9Pで、「就業規則・雇用契約」はほぼ横ばいでした。 また、「賃金関係」の中では、「一時金・諸手当」+4.6P、「賃金未払・遅配・給料控除」+3.5P、「最低賃金」+1.1Pとなり、他の項目は減となりました。

(表3)【男女別・主要雇用形態・業種別相談項目】

項目男女別主要雇用形態主要業種
年・月男性女性社員契約 パート
タイマー
臨時・
アルバイト
卸・小売業
・飲食店
医療・福祉
・医療品業
その他
サービス業
分離不能・
その他
賃金関係2113203826286
就業規則・雇用形態101263932362
労働時間関係8271204110
解雇・雇止め・退職814701314322
労働保障6732803713
差別・嫌がらせ・セクハラ11341621323
経営問題・労務管理8660414120
全 合 計84827013591026162928

2)男女別の主な相談項目は、男性(84件)が「賃金関係」(21件)「就業規則・雇用契約」(10件)に比較的集中しているのに対して、 女性(82件)は「解雇・雇止め・退職」「賃金関係」「差別・嫌がらせ・セクハラ」および「就業規則・雇用契約」の4項目に12〜14件が分散しています。

3)雇用形態の相談項目は、社員(70件)では男性を中心に「賃金関係」(20件)に集中しています。 期限付雇用者(90件)は「就業規則・雇用契約」(17件)「解雇・雇止め・退職」(15件)「賃金関係」(14件、うち賃金未払い・遅配6件)に分散しており、 このうちパートタイマーは女性を中心に「解雇・雇止め・退職」(13件)に集中しています。

4)主要業種別では、「賃金関係」の相談が「その他サービス業」で8件、「卸・小売業・飲食店」および「分類不能その他」で各6件あり、最多件数となっています。 「医療・福祉・医療品業」では「就業規則・雇用契約」「解雇・雇止め・退職」「差別・嫌がらせ・セクハラ」に各3件の相談が分散しており、 また「その他サービス業」では「就業規則・雇用契約」にも6件の相談が集中しています。

2. 11月の雇用情勢について 参考資料−7「2006年月別相談内容別別違法件数 集計」

11月の雇用情勢の特徴の第一は、「賃金関係」の相談が急増し、「一時金・諸手当」「賃金未払い・遅配」問題が88.2%に及んでいる事です。 上期の企業決済が終わり、灯油価格の高騰も加わって、年末を控えて一時金や燃料手当の減額・廃止問題が浮上してきました。 特に男性社員の賃金関係の相談はこの3項目に集中して30.5%を占め、1〜10月に比べて9.3P増加しました。 「賃金未払い・遅配」「残業手当未払い」の相談内容は大部分が違法なものであり、ここには、労働者の生活に対する不安と危機感が強く示されています。

特徴の第二は、パートタイマーを中心に期限付雇用者が1〜10月に比べて11.4P増加し、パートでは、相談件数の22%が「解雇・雇止め・退職」に集中している事です。 関連する「差別・嫌がらせ・セクハラ」「労働(雇用)保険未加入」(各10.2%)および「賃金未払い」(5.1%)の相談も増加しました。 差別や苛めによって精神的ダメージを与え、退職に追い込むケース、さらには最後の賃金を払わない、雇用保険に加入していないなど、悪質なケースが増えています。

特徴の第三は女性の「差別・嫌がらせ・セクハラ」に関する相談がパートタイマー以外にも拡大し、違法率が高まっている事です。 パートタイマー以外の雇用では解雇・退職問題と関連していませんが、今後、解雇・退職問題に発展する可能性が大きいと考えられます。

【 参考資料 】

資料−1 「2006年11月 月別労働相談処理状況」 【PDF】

資料−2 「2006年11月 相談者数(雇用形態・男女別、職業別)、処理内容」 【PDF】

資料−3 「2006年 業種別相談者数 月別集計」 【PDF】

資料−4 「2006年11月 労働相談(男女雇用形態別・相談内容別)」 【PDF】

資料−5 「2006年11月 労働相談(業種別・相談内容別)」 【PDF】

資料−6 「2006年 相談項目別相談件数 月別集計」 【PDF】

資料−7 「2006年 月別相談内容別違法件数 集計」 【PDF】

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