2005年12月 労働相談の状況について
「相談者数は今年最多で、昨年同月の2倍」
1) 12月の相談者数は96人で今年最多となりました。相談件数は163件で、相談者1人あたりの平均相談項目は1.7でした。
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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相談者数 (人) | 61 | 70 | 85 | 92 | 90 | 91 | 79 | 74 | 77 | 87 | 88 | 96 |
相談項目数 | 98 | 123 | 130 | 136 | 165 | 156 | 139 | 115 | 127 | 138 | 150 | 163 |
1人当たりの項目 | 1.60 | 1.75 | 1.52 | 1.47 | 1.83 | 1.71 | 1.75 | 1.55 | 1.65 | 1.59 | 1.70 | 1.70 |
2) 相談者を雇用形態別で見ると、相談者96名のうち社員が47人ですが、社員に占める男性の比率が非常に高く、8割を超えています。
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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相談者数 (人) | 61 | 70 | 85 | 92 | 90 | 91 | 79 | 74 | 77 | 87 | 88 | 96 |
社員占有率% | 46 | 40 | 39 | 40 | 34 | 41 | 43 | 43 | 51 | 59 | 45 | 49 |
社員のうち 男性占有率% |
64 | 75 | 58 | 51 | 68 | 77 | 53 | 66 | 69 | 73 | 65 | 81 |
3) 相談者の業種を見ると、社員では卸・小売・飲食店11人(うち男性9人)、建設・設計・重機7人(男性のみ)、その他サービス5人(男性3人)の順に多くなっています。 社員以外の期限付き社員では、卸・小売り・飲食店10人(うち女性8人)、その他サービス7人(女性のみ)、食品加工5人(女性のみ)の順となっています。
4) 相談内容では、解雇・雇い止め・退職に関する相談、就業規則・雇用契約、残業代未払い、労働保険、労災・職業病・安全衛生に関する相談が、業種や雇用形態を問わず多くなっています。
5) 法違反件数が非常に多く70件を超えており、違反率も高くなりました。
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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相談項目(件) | 98 | 123 | 130 | 136 | 165 | 156 | 139 | 115 | 127 | 138 | 150 | 163 |
違法件数 | 49 | 62 | 38 | 54 | 75 | 53 | 53 | 45 | 47 | 51 | 56 | 76 |
違法率 | 50.0 | 50.4 | 29.2 | 39.7 | 45.5 | 34.0 | 38.1 | 39.1 | 37.0 | 37.0 | 37.3 | 46.6 |
【 相談の状況から見る考察 】
相談者数と、法違反件数が2005年で一番多かったことが、年末期に労働者が置かれた状況を象徴しているのではないでしょうか。
労働基準法で定める「客観的に合理的な理由がなく、社会的通念からみて相当だと認められない」解雇や、解雇予告・解雇通知書交付など手続きの義務を果たさない解雇・雇い止めなど、いずれも違法解雇の被害を受けた後の相談が後を絶ちません。
また、直接の解雇や雇い止めの通告はないにしても、恒常的な残業代不払い、雇用契約不履行、職場の安全管理への不安などの理由から転職せざるを得なく、雇用保険、退職金、退職手続きなど退職に関する相談が多くありました。
厳寒期であり、取り締まる行政機関が年末年始で長期休業する時期に、法を犯して直接・間接に労働者を職場から追いやる悪質な経営者・使用者に対しては、人道の見地からも厳しい措置がとられるべきです。
【 参考添付資料 】
資料−1 2005年12月 相談者数(男女雇用形態別・業種別)、その他処理件数