2005年3月12日
2月の相談者は70人、相談件数は123件(集中相談ダイヤル44件を除く)、相談者1人平均相談項目1.8件で、 前年同月に比べて相談者数8人減となりました。ただし、人数の減少ほどに相談項目が減少していないことを考えると、 1つの相談の中に複数の問題を抱えているという状況が読み取れます。
雇用形態別にみた場合、正規社員とそれ以外の比率は4:6と、非正規社員からの相談が多くなっています。 正規社員以外のうち、パートが全体の4割を占め、全員女性からの相談でした。相談項目をみると、 正規社員では残業代未払・遅配が、正規社員以外の相談者からは賃金未払・遅配、労働保険(雇用・労災)についての 相談が多くなっています。
業種については、昨年同月および先月同様、卸・小売業・飲食店が最も多くなっています。先月との比較でいえば、 製造業に勤務する人たちからの相談が増えていますが、これらは当初から懸念されていた派遣法改正による製造業への 派遣解禁に伴うトラブルが原因なっています。
業種別相談者数は26項目中、賃金関係、解雇・雇止め・退職、労働保険(雇用・労災)、経営問題・労務管理で全体の60%以上 を占めています。解雇・雇止め・退職は減少し、逆に賃金や残業代未払いなど賃金関係が増加しています。 昨今の傾向として、あからさまに解雇通告する手法から、賃金の切下げを強要し応じなければ自主退職を促すケース が急増しています。また従来の仕事に加え、人員の補充のないままリストラされた元同僚の仕事までやらねばならず、 その結果として長時間労働を余儀なくされ、残業代は支払われないという実態が今回の数値に表れたものといえます。 さらに、昨年同月との比較では労働保険(雇用・労災)が増加していますが、その多くは労災申請の手続きに関する相談 となっています。すなわち、業務中や通勤途上での事故が増加しているなど、経営者の安全配慮義務が疎かになっており、 労災の手続きが適切に行われていないという実態が明らかとなりました。
雇用形態 | 人数(分布率) | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
正社員 | 28人(40.0%) | 21人 | 7人 |
パート | 18人(25.7%) | 0人 | 18人 |
契 約 | 7人(10.0%) | 2人 | 5人 |
臨 時 | 5人(7.2%) | 2人 | 3人 |
派 遣 | 3人(4.3%) | 1人 | 2人 |
不明・他 | 9人(12.8%) | 5人 | 4人 |
合 計 | 70人(100%) | 31人 | 39人 |
(注) 1.臨時にはアルバイトを含む。
2.季節・短期雇用、嘱託は、相談者がいないため省略
業 種 | 人数(分布率) | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
卸・小売業・飲食業 | 14人(20.0%) | 8人 | 6人 |
製造業 | 7人(10.0%) | 4人 | 3人 |
その他サービス業 | 7人(10.0%) | 1人 | 6人 |
医療・福祉・医療品業 | 5人(7.1%) | 3人 | 2人 |
労働者派遣業 | 5人(7.1%) | 0人 | 5人 |
分類不能 | 14人(20.0%) | 5人 | 3人 |
上記以外の14業種 | 18人(25.8%) | 10人 | 8人 |
合 計 | 70人(100%) | 31人 | 39人 |
参考資料:「2005年2月相談者数(雇用形態・男女別・業種別)処理内容)」
相 談 項 目 | 増 減 | 相 談 者 | 相 談 件 数 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
人 | 分布率 | 前年・分布 | 人 | 分布率 | 前年・分布 | |||||
賃金 | 賃金未払い・遅配 | ↑ | 13 | 18.6% | 9 | 11.5% | 14 | 11.4% | 10 | 12.8% |
残業代・未払他 | → | 7 | 10.0% | 9 | 11.5% | 14 | 11.4% | 10 | 12.8% | |
賃金関係 全合計 | ↑ | 24 | 34.3% | 22 | 28.2% | 34 | 27.6% | 24 | 19.2% | |
就業規則・雇用契約 | ↓ | 3 | 4.3% | 7 | 9.0% | 4 | 3.3% | 9 | 7.2% | |
解雇・退職・雇止め | ↓ | 9 | 12.9% | 11 | 14.1% | 18 | 14.6% | 18 | 14.4% | |
労働保険(雇用・労災) | ↑ | 12 | 17.1% | 7 | 9.0% | 12 | 9.6% | 11 | 8.8% | |
社会保険(健保・年金) | ↓ | 2 | 2.9% | 3 | 3.8% | 3 | 2.4% | 6 | 4.8% | |
その他項目 | ↓ | 13 | 18.6% | 17 | 21.8% | 29 | 23.6% | 33 | 26.4% | |
合 計 | 70 | 100% | 78 | 100% | 123 | 100% | 125 | 100% |
参考資料:「2005年2月労働相談(雇用形態別・相談内容別)」
@ 賃金未払い・遅配(相談者数13人、相談件数14件)
A 残業代未払・遅配(7人、相談件数14件)
B 解雇・退職・雇止め(相談者9人、相談件数18件)
C 労働保険(雇用・労災)(相談者12人、相談件数12件)
D 経営問題、労務管理(相談者4人、相談件数10件)
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参考資料:「2005年2月労働相談(雇用形態別・相談内容別)」
(業種)
建設:建設,設計,重機業 商業:卸,小売業,飲食店 斡旋:商品斡旋,リース業
医療:医療,福祉,医薬品業 サービス:その他サービス業 陸運:陸運,倉庫業 ビル:ビル管理業
IT:通信,報道,IT業 製造:製造業 学校:教育,学校 公務:公務・公共サービス
相談人数 70人
(内訳)
@ 処理移行: 2人(うち労組結成2)
A 機関紹介: 9人(労基署3(未払1、労災2)、職安1、労働組合3、弁護士1、その他1)
B 相談のみ: 59人
参考資料:「2005年2月現在 月別労働相談処理状況」