2005年8月12日
@ | 7月の相談者は79人、相談件数は139件、相談者1人あたりの平均相談項目1.75件で、前年同月に比べて相談者15名、 相談件数41件、共に増加しています。 |
A | 相談者の男女比率は、女性が64.5%で、2005年で一番相談の多かった4月に次いで女性の比率が高い月となっています。 しかし、女性からの相談が多かったにも関わらず、雇用形態別で比較すると、正社員の割合が高くなりました。 |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
相 談 者 数 | 61人 | 70 | 85 | 92 | 90 | 91 | 79 |
相談者のうち女性の数 (比率%) |
36人 (59.0) | 39 (55.7) | 53 (62.4) | 62 (67.4) |
47 (52.2) | 45 (49.5) | 51 (64.6) |
相談者のうち正社員の数 比率(分類不能を除く) |
50 52.83% | 52 45.90 | 52 42.85 | 53 44.57 |
59 44.46 | 76 48.05 | 57 47.88 |
B |
相談項目別および相談件数について 相談件数139件のうち、月例賃金や残業手当の未払・遅配など「賃金」に関する相談が24件、以下、 「解雇・雇い止め・退職」21件、就業規則等「契約」に関する相談16件、「経営問題・労務管理」15件、 「差別・嫌がらせ・セクハラ」10件の順となっています。 特に、「差別・嫌がらせ・セクハラ」に関する女性からの相談、職業紹介・求人の相談や問い合わせ(8件) が増えたことが特徴と言えます。 |
C |
雇用形態別、男女別相談内容と件数 正社員の相談項目は、男性がほぼ全般に渡っていることに比べ、女性は「解雇・雇い止め・退職」、 「賃金未払い・遅配」、「差別・嫌がらせ・セクハラ」など、より深刻な項目に集中している傾向にあります。 また、今月の特徴は、「契約社員」に占める女性の比率が高く(78%、全女性の14%)、 その相談内容は「就業規則・雇用契約」、「解雇・雇い止め・退職」に集中しており、不安定な労働条件、 処遇で働かざるを得ない女性労働者の現状がうかがえます。 また、パートのうち女性が87%(全女性の39%、全相談者数の25%)と、いつもながら女性の割合は高く、 相談件数は賃金未払い・遅配、残業未払いなど「賃金」に関して9件、「就業規則・雇用契約」7件、 「経営問題・労務管理」6件、「解雇等」5件の順となっています。 |
雇用 | 性別 | 業種 | 内容 |
---|---|---|---|
パート | 男性 | ホテル | パートを管理する者が、自分の好き嫌いや気分次第で怒鳴る。労働時間管理もずさんで、その日に急に残業と言われる。 |
パート | 女性 | ビル管理 | 現場管理者に日常業務について改善すべきと思う点を話したら、勤務日数を減らされた。本社に事情を聞こうと電話しても、現場で解決してくれと言われる。 |
パート | 女性 | スーパー | 男性管理者が時々売場に来ては、既に処理している業務について指示するが、指示が違っている事もあり、指摘すると怒鳴る。勤続が長いパートは、売場に関しては男性管理者より熟知している。 |
パート | 女性 | 流通 | 勤務中の同僚からの暴言、嫌がらせがひどく、現場責任者に訴えたところ、対処してもらい改善された。その後、責任者が異動し、また嫌がらせが始まった。今度の責任者は何もしてくれない。 |
アルバイト | 男性 | 飲食店 | 17時〜22時の契約で入ったが、客が少ない日はすぐに返され、多いと遅くまで仕事をさせられたりして守られない。辞めようと思うが、最後の賃金が払われないような噂を聞き、迷っている。 |
正社員 | 男性 | 金融 | 病気休暇中に上司から退職を迫られた。就業規則の範囲内で休んでいるのだが、どうしたらいいか。 |
パート | 女性 | 福祉関係 | 職場の研修会やミーティングに出席するよう言われるが、開始時間が夕方からのため、早番勤務の日は一度帰宅してから、また出直さなければならない。交通費、賃金は不支給。上司に不満を言っても、何も返答がない。 |
これら相談件数や項目、また相談の中身から、職場で労務管理が適正になされておらず、また、そのための人材が不足しているか、または、元々そのための人員が配置されていないことがうかがわれます。
適正な労務管理がなされないことは、会社秩序の崩壊、職場の荒廃をもたらし、労働者の勤労意欲を低下させることにつながります。そしてそれは、経営する側にとってもマイナスであることを真摯に捉えるべきではないでしょうか。