2006年9月 労働相談の状況について
「合理化問題の相談が7割−遠い景気回復」
1. 労働相談の概況
(1)相談者数・件数について
9月は相談者数67人、相談件数102件、相談者1人あたりの平均相談項目1.5件でした。 前年同月との比較では、相談者数10人減、相談件数25件減、1人当たりの相談件数0.1件減となっています。
(2)相談者の男女比率について
相談者の男女比率では、男性37人対女性30人と男性からの相談が多くありました。 2006年の9ヶ月の間、男性が女性を上回ったのは、1月、7月に次いで3回目です。
(3)雇用形態別相談者数について
相談者67人の雇用形態を見ると、社員が44人、社員以外の期限付き雇用契約者17人、不明その他6人で、社員からの相談が多くありました。 社員の比率は男性の比率とほぼ連動しています。
相談者数に占める男性の比率と社員の比率 月別集計
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
相談者数(人) | 62 | 99 | 100 | 112 | 75 | 117 | 55 | 52 | 67 |
男性比率(%) | 58 | 49 | 41 | 34 | 43 | 46 | 56 | 46 | 55 |
社員比率(%) | 45 | 55 | 43 | 29 | 45 | 47 | 60 | 35 | 66 |
(4)業種別相談者数
9月の相談者を業種別に見ると、「卸・小売業・飲食店」14人(21%)、「医療福祉・医薬品業」9人(13%)、 「陸運・倉庫業」7人(10%)の順に多く、次いで「建設・設計・重機業」、「ビル管理業」となりました。
(5)相談項目について
9月の相談内容を項目別に見ると、主相談項目別相談者数では「解雇・雇止め・退職」が一番多く、 「就業規則・雇用契約」と「労災・職業病・安全衛生」が同数、「月例賃金未払い・遅配」、「経営問題・労務管理」と続いています。
相談項目別では、やはり「解雇・雇止め・退職」が一番多く、「就業規則・雇用契約」、 「経営問題・労務管理」、「月例賃金未払い・遅配」、「労災・職業病・安全衛生」と続いています。
前年同月との比較で見た場合、大幅な増減があった項目は以下のとおりです。
相談項目 | 全体に占める割合 | 増減 | |
---|---|---|---|
05年9月 | 06年9月 | ||
賃金―月例賃金未払い・遅配 | 4.72 | 6.86 | +2.14 |
合理化・倒産・企業閉鎖 | 0.79 | 6.86 | +6.07 |
退職金 | 1.57 | 3.92 | +2.35 |
差別・嫌がらせ・セクハラ | 3.15 | 6.86 | +3.71 |
賃金―給与控除 | 3.94 | 0.98 | -2.96 |
就業規則・雇用契約 | 14.96 | 9.80 | -5.16 |
有給休暇 | 7.09 | 3.92 | -3.72 |
解雇・雇い止め・退職 | 20.47 | 17.65 | -2.82 |
労災・雇用保険 | 5.51 | 2.94 | -2.57 |
経営問題・労務管理 | 11.81 | 8.82 | -2.99 |
2. 9月の雇用情勢
9月は男性社員からの相談が多く、また、相談内容では「合理化・倒産・企業閉鎖」に関する相談が他の月より増加した結果になりました(2006年相談項目別相談件数 月別集計)。
「合理化・倒産・企業閉鎖」と、これに直結する「解雇・雇止め」、関連する「月例賃金未払い・遅配」「退職金」などの相談が多いことから、 雇用と生活の不安に苛まれながら働かざるを得ない労働者の現状が推察されます。真の景気回復のための施策が急務ではないでしょうか。
【 参考資料 】
資料−1 2006年9月 相談者数(雇用形態・男女別、業種別)、処理内容 【PDF】
資料−2 2006年9月 労働相談(男女雇用形態別・相談内容別) 【PDF】
資料−3 2006年 相談項目別相談件数 月別集計 【PDF】
資料−4 2006年 雇用形態別相談者数 月別集計 【PDF】
資料−5 2006年 業種別相談者数 月別集計 【PDF】
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